- フィラーにPTFEを使用しており、腐食性流体、純酸素ガス、気密性の要求される厳しい条件でも、優れたシール性を発揮します。
- 石油化学のプロセスラインや熱媒ラインなどの配管・機器などで使用されます。
- 純酸素の流体向けに、PTFEの油分を除去したOXタイプもあります。
製品詳細

製品特徴
構造

フープと呼ばれるV字形をした金属製の薄帯板と、PTFEフィラーを交互に重ね、うず巻状に巻き付けたガスケットです。
適用流体
水、水蒸気、熱水、ブライン、海水、石油系炭化水素、アルコール、動植物油、芳香族炭化水素、有機溶剤、熱媒油、弱酸、弱アルカリ、塩類溶液、強酸、強アルカリ、空気、排ガス、可燃性ガス、毒性ガス、水素ガス、アンモニア、酸素、液化ガスなどの極低温流体 など
使用範囲
設計基準
ガスケット係数 m [ー] |
3.00 | |
最小設計締付圧力 γ[N/mm²] | 68.9 | |
最小締付面圧 σ3 水・油系流体[N/mm²] |
29.4 | |
最小締付面圧 σ3 ガス系流体[N/mm²] |
39.2 | |
許容締付面圧 [N/mm²] |
294.2 |
標準寸法
ガスケット厚さ[mm] | 内外輪厚さ[mm] | 製作推奨内径[mm] | ||
---|---|---|---|---|
炭素鋼 | 炭素鋼以外 | 最小 | 最大 | |
3.2 | 2.0 | 2.0 | ø16 | ø600 |
4.5 (標準) | 3.2 | 3.0 | ø16 | ø3000 |
6.4 | 4.5 | 4.0 | ø1500 | ø3000 |
記載寸法以外も製作可能ですが、変形やソリ、バラケが生じやすくなったり、特殊仕様として通常より納期がかかる場合がありますので別途ご相談ください。
使用される産業分野
食品製造プラント、製鉄プラント、LNG基地・LNG船、製紙工場、火力発電、産業用機器、石油精製・石油化学プラント、化学プラント など
ガスケットの標準クリアランスと適正溝深さの設計指針
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フランジ座と適正ガスケット形状
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ガスケット本体推奨幅
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よくあるご質問
使用上の注意事項
■ 設計・選定に関する注意事項
● ガスケット座の仕上げ
ガスケット座はJIS B 2220-2012の旋削仕上げとし、推奨表面粗さは次のとおりです。
・ 液体シールの場合:6.3μm Ra 以下
・ ガスシールの場合:3.2μm Ra 以下
ガスケット座表面にV溝が切ってあるフランジには適しません。
● ボルトの材質
ボルテックスガスケットはシートガスケットに比べ、大きな締付力を必要とします。そのため、ボルト材質はSNB7など以上の高張力ボルトを使用することをお勧めします。
● 内輪・外輪のめっき処理
内輪、外輪の材質が炭素鋼の場合、保管中の錆の発生を防ぐため、表面にめっき処理を施しています。そのため、次の点にご注意ください。
・ めっきの耐熱温度は200℃です。
・めっき成分の微量な溶出にも注意が必要な場合は、ステンレス鋼をご使用ください。
● ボルテックスの形状
内輪は締付時にガスケット本体の内径側への変形を防ぐことにより、ガスケット本体の座屈防止、高締付力の保持、ガスケットの破損(バラケ)防止としての機能があります。内径側の拘束のないフランジに装着するときや、以下の場合には必ず内輪を付けてください。
・フィラー材がNA 以外の場合
・フィラー材がNAの時は、圧力レイティングがクラス900 以上またはフランジの呼び径が650A(26B)以上の場合
● 大口径ガスケットの場合
大口径のガスケットを高圧条件で使用する場合は、エンドフォースによるガスケットの変形や、フランジの変形が生じる場合がありますので、事前にご相談ください。
● 全面座フランジ(FF)に使用する場合
フランジが薄く強度が不足すると、締め付けによりフランジが歪む場合があります。そうすると、フランジ面と外輪が接触し、シールに必要な面圧が得られなくなる可能性がありますので、FFフランジには十分な強度(厚さ)が必要です。
● 低圧用フランジでの使用(JIS 5K 以下のフランジ、真空フランジなど)
ボルテックスガスケットはシートガスケットに比べ大きな締付力を必要とします。低圧用フランジでは、ガスケットの締め付けに十分なボルトやフランジ強度が得られないことが多いので、お勧めしていません。
● アルミニウムフランジでの使用
アルミニウムフランジにはTOMBO No.1809-AL シリーズをご使用ください。それ以外のボルテックスガスケットの使用はフランジを傷つける可能性があります。
● スリップオン溶接式フランジに使用する場合
スリップオン溶接式フランジに使用する場合は、突き合わせ溶接式フランジとガスケット寸法が異なるので、A形・B形・C形の種類を確認してからご注文ください。
● 各種流体に対する推奨ガスケット
・支燃性ガス:酸素用ナフロンボルテックス(TOMBO No.9090-OX)
※注意事項:グラシールボルテックス。NAボルテックスは使用しないでください。グラシール及びNAフィラーに含まれる有機分の酸化消失が起こる可能性があります
・強酸化性流体:ナフロンボルテックス
※注意事項:グラシールボルテックスは使用しないでください。グラシールが侵される可能性があります。
・高温流体:ボルテックスガスケット -GS, -GM, -GH, -NM
※注意事項:フープ及び内輪の材料は、使用条件に十分に耐えるものを選定してください。
・腐食性流体:グラシールボルテックス、ナフロンボルテックス(内外輪、フープ材質は流体に耐性のある材質をご使用ください)
※注意事項:NAボルテックスは、フィラーが侵されますので、使用しないでください。
■ 使用上の注意事項
● 取り付けに際して
・ガスケットを取り付ける前にフランジ表面を清掃し、異物やキズのないことを確認してください。
・ガスケットは無理な状態で取り扱わないでください。特に大口径のガスケットは破損(バラケ)しやすいので数人で慎重に取り扱ってください。
・ガスケットはフランジの片側に寄らないよう、適正な位置に置いてください。
・ガスケットペーストは原則として塗布する必要はありませんが、特に要望される場合は260℃以下の条件でTOMBO No.9400(ナフロンペースト)の併用をお勧めします。
・ガスケットの再使用はできません。
● 基本形ボルテックスをご使用いただく場合
基本形のボルテックス(異形を含む)は、わずかな外力で変形することがありますので、取り扱いには十分ご注意ください。なお、多少変形が生じてもそのままフランジ溝に入れて使用できることもありますのでご相談ください。